テレビや舞台で活躍する片桐仁さんは、クリエイターとしての活躍もすでに15年以上。
とりわけ、粘土を使って製作する作品はあっと驚くような面白いものばかりで、見る人を一瞬で魅了してしまいます。
実はパジコ製品の長年の愛用者でもある片桐さんに、イオンモール浜松志都呂店で行われたワークショップ後に
お話を伺いました。
日本一の「ハーティ」ヘビーユーザー?!
ワークショップ、お疲れさまでした!まさか、参加されているお子さんやおうちの方の前で、パジコの粘土をあそこまでべた褒めしていただけるとは!本当にありがとうございました。
片桐さん(以下、敬称略): いや~ここまでね、ハーティ(編集部注:パジコ ハーティ クレイ)を褒める人いないんじゃないかって(笑)。もしかしたら僕、日本で一番ハーティを使ってるんじゃないかってくらい使ってますよ。
いや、ほんとに!ありがたい限りです。今日のようなイオンのワークショップはこれまでも開催されてきましたが、片桐さんから見て、子どもたちの反応ってどうですか?今、あまり粘土を使ったことがない子も少なくないと思うんですが。
片桐: ハーティは柔らかいので、子どもも扱いやすいと思いますね。そして、色を自由に混ぜられるというところが、1番のポイントじゃないでしょうか。
昔は白い紙粘土の上に色を塗ってましたけど、水彩絵の具で濡らしちゃうと溶けちゃってましたもんね。それに重いから、落として割れちゃったりとかよくありました。
そういえば、うちの子どもも文化祭とかバザーで、紙粘土でつくった魚に色を塗ったものを売ったりしてたんですが、あれも絶対ハーティでつくった方が良かったんじゃないかな。
たしかに!お子さんが使う場合は扱いやすさも大事ですよね。今回のワークショップで驚いたのは、1時間という時間内に子どもたちが作品をつくり上げていたこと。すごいなと思いました。
片桐: すごいでしょ? あれは親がいるからです(笑)。子どもだけだったら絶対無理!3倍はかかりますんで。
私が連載を持っている子育て情報誌kodomoeでワークショップをやるときなんかもう大変です。最後は口も聞いてくれないですからね。『何つくりたいの?』って聞いても、『教えない』って(笑)
その点、今回のワークショップは親子での参加ですもんね。
片桐: そうなんです。親は自分がメインじゃないからちょっと引いた目で見られるし、暇だから手を出したくなるみたい。
うしろで座ってるお父さんがずっと粘土こねてましたよね。
片桐: そうそう、あれ面白いですよね!場合によっては2歳児とか全然できないのにワークショップに来ちゃってたりすると、もうおじいちゃんがずっとつくってる場合もあったりして。
おじいちゃん、おばあちゃんにとっても面白いのかもしれないですね。
片桐: 絵とかだと、上手いとか下手とかわかりやすかったりして、ちょっと苦手になっちゃってる人もいるんです。
その点、粘土はね、そんなに精巧にもつくれない分、変な失敗もないし、ハーティの色の組み合わせも3色くらいだと汚くならないし。
そうですね。ワークショップで使う粘土の色も片桐さんが決めているんですか?
片桐: そうです。どの色を使うか結構試行錯誤してるんですよ。最初は3色の中にマゼンダじゃなくてレッドを入れてたんですけど、やっぱりマゼンダの方がいいなとか、この色をつくるためにはこの色を入れようかな、とか。こんなにハーティで何年も思考錯誤してる人いないと思うな~。
ずっと使っていただいて、本当にありがとうございます!
片桐: いえいえ。以前に送っていただいたレジンも使おうと思っているですが、まだ使ってないんです。最近つくった犬の作品があるんですが、表面をテラテラさせるためにレジンを使おうと思ってたんですけど、結局リキテックス一層塗って時間切れになってしまって。泣く泣くレジンを諦めたんですよね。犬の目とか鼻の上に一層レジンがあるといいと思ったんですけどね。
光沢が出て仕上がりが変わってきそうですよね。
片桐: 最初は、犬の瞳をレジンでつくろうと思ったんですよ。凹ませたところにレジンを盛って。結局やれていなんですけど(笑)。
ずっとドールアイを使ってきたんですが、小さいサイズの目をはめるのって大変でしょ?だからレジンを使用してみようかなと。
ぜひお時間あるときにパジコに来てくださったら、商品部から使い方をお伝えできますよ!
片桐: おお、ほんと?!ぜひぜひ!そうですよね、そういうの見たいんですよ!
毎月つくり続けて10年以上!ユニークな粘土作品の数々
ところで、片桐さんの「不条理アート粘土作品展ギリ展」も拝見させていただいたんですが、作品の点数がすごくて驚きました。
片桐: いやぁ僕もびっくりしましたよ(笑)。
本当にものづくりがお好きなんですね。
片桐: 雑誌の連載の締切が毎月来てるので、それに間に合わせる仕事としてやってる間にたまっちゃっただけなんですけど。そういう意味では雑誌の連載はありがたかったですね。で、10年以上経ってやっと個展をやれるようになって、あ、こんなにいっぱいあるんだって自分でもびっくり。正直あんまりよくわかんないくくりだから、お客さんがどう思うか心配だったんですけど、これだけ点数があれば1個のジャンルとして成り立ってるんじゃないかと思って。
とても見応えありました!全部がすごくつくり込んでるのがよくわかって。
片桐: 最初のころは暇だったんです(笑)。全部やらなきゃ気が済まなかったんで。最近はちょっと雑になってきましたね。
お客さんも1つの作品を舐めるように見ていたのが印象的でした。
片桐: 渋滞ができちゃうんですよね。順番通りに見なくていいんです、ほんとに(笑)。
プラモデル好きだったことも影響?!
美大に入って気づいた立体作品の楽しさ。
もともと片桐さんは平面の作品が多かったと聞いたんですが、立体作品に移行されたのは何かきっかけがあったんですか?
片桐: 絵で美大に入ったんですけど、相性は立体の方が良かったんですよね。授業で立体作品をつくったり、教職の授業でやった立体が楽しかったんです。
それから版画も彫ったりする作業があるから、2.2次元くらいの感覚で楽しいなと思いました。
版画は最初は立体ですけど、完成形は平面ですもんね。
片桐: はい。プラモデルやフィギュアが好きだったことも大きかったと思います。まさにスカルピーはフィギュアの影響ですね。
片桐さんの作品はユニークですが、そのアイデアはどこから湧いてくるんですか?
片桐: いや本当に大変で、思いつかないんですよ。俳優の仕事で楽屋にいるときとかでもなんかないか?!っつって。
じゃあいつもひねり出してる感じなんですね。
片桐: もう締め切りに追われて、いつも徹夜になっちゃうんですよ。あと一週間早く思いついていれば大丈夫なのに。
その1回のひらめきでつくりこんじゃうわけですね?
片桐: 今回の犬うなぎは早い段階で思いついていたんで、満を持してうちのワンちゃんのちゃこちゃんをつくり込んだんですけど。
そのちゃこちゃんの顔がリアルで!思わずアップで写真を撮っちゃいました。犬好きにはたまらないですね。
片桐: そうなんですよ。説明に書くのを忘れたんですけど、あれ一応ウナギなので、目と鼻の間に2つ1mmの鉄球が埋まっていて、あれが目なんですよ。
えっ?!そうんなんですか?じゃあワンちゃんの目は目じゃないんですね?
片桐: そうです(笑)。あれ擬態なんです。言わなきゃわかんないですよね~。
片桐: ここのちっちゃい鉄球が目で、そうするとここがちょっと顔になるんですよ。
本当だ!つぶらな瞳ですね。
片桐: こういう怖い柄のちょうちょみたいな。目っぽい模様の。
気に見え方が変わってきますね。